幽体の知覚@森美術館

小谷元彦さんの個展。

半分以上はぞっとする怖い感じの作品で、ふすまの陰からこわごわ覗く気持ちで鑑賞して来ました。

彼は痛みの身体感覚や精神状態をテーマにして、見る人の深ーいところに眠ってる感覚を刺激するような作品を制作します。後半の白一色の彫刻は美と死の境界ぎりぎりを描き出していて魅了されるものもあり強烈な経験でした。

自分の中にあったとしても、ふつーは見ないようにしている部分かも。
私は物事を美化してとらえる方なので勉強になりました。

ここでは、それほど怖くない作品を紹介

自分でキャッチした感覚を見えるようにして人に伝えられるってすごい!!と感心しました。

以下は言葉の使い方が素晴しかったので森美術館のホームページより抜粋です。
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彫刻というメディアのもつ性格に対して鋭敏な意識をもつ小谷は、彫刻特有の量感や物質性に抗う(あるいは逆手にとる)かのように、実体のない存在や形にできない現象、すなわち「幽体」(ファントム)をとらえ、その視覚化を試みてきたといえます。本展では、小谷の作品の本質を探るべく、10年以上にわたって発表されてきた小谷の初期作品から最新作までを一堂に集めるほか、「映像彫刻」とも呼ぶべき体験型の大型映像インスタレーションや、重力や回転などの生命のしくみに関わる現象をテーマにした新作を紹介します。従来の彫刻の概念を超えて、存在のあり方をあらゆる方向から捉えて形にしようとする小谷の作品を通して、美術表現の新たな魅力と可能性に迫ります。